「職場の室温は背広を着た男性に合わせて低く設定してあるので、手足が冷たくなってつらい」

「スーパーに行くと、冷蔵ショーケースの冷気で体が冷えてしまう」

「空調が利いた建物から外に出ると、急激な温度差で立ちくらみや頭痛がする」

 

男性には、あまり実感できないかもしれませんが、冷えに関連する苦痛は女性にとって、とても深刻な悩みです。

 

女性の多くが寒さに弱いのは、男性に比べて筋肉量も活動量も少ないことから、熱子不ルギーの生産能力が劣るためです。寒さは、女性にとって、男性が感じるよりも強いストレスとなります。

 

女性の体の末端や表面が冷えがちなのは、体温が下がるのを防ぐために、体の末端や表面の血管を収縮させ、毛穴も閉じて、放熱をできるだけ避けるためです。これによって、内臓などがある体の温度、「深部体混」の低下を防ぐのです。

 

そして、職場や、買い物先など強い冷房の中で交感神経が緊張した後、外に出たり、家に帰ってくつろぐと、急激に体温が上がり、副交感神経優位となります。その結果、血管が拡張して血流が増えるわけですが、強く冷やされた後に、急激に血流が回復することで、だるさ、腹痛、頭痛などの症状が現れます。

 

これらが、冷えに関連する苦痛や疲れの正体で、体温低下から身を守る反応であることもわかります。

 

いつも強い冷気にさらされていると、この反応が過激になっていきます。

 

ちょっとでも寒さを感じると、交感神経が優位になり、強い冷えを感じるようになり、それに対する副交感神経の反応も大きくなって、だるさ、腹痛、頭痛も激しくなります。

 

冷えからくる不快な諸症状を緩和するために薬を使うと、交感神経緊張に傾き、冷えの症状をさらに悪化させてしまいます。本当の対策は、体を冷やさず、温めることです。

 

ここ数十年、現代の文明病と言えるような、さまざまな病気が増えています。これは、文明の進化で生み出された利器によって、体を冷やす機会が非常に多くなってきたからだと私は思っています。

 

特に、体に悪影響を及ぼしているのが、冷房と冷蔵庫でしょう。冷房によって、夏には冷気に体をさらさずには過ごせなくなりました。冷蔵庫の発達によって、私たちは食品を新鮮な状態で保存する力は手に入れたものの、食べ物や飲み物を冷たいまま体に入れることが非常に多くなっています。

 

体は深部体温を保とうとして、必死に頑張っているのに、冷たいものをそのまま消化器に流し込んでは、体温は一気にドがってしまいます。体力の消耗は、ますます激しくなり、活動のエネルギーも免疫力も下がって疲れやすくなり、病気の世界に入りやすくなるのです。

 

長い時間をかけて培われた人間の体のシステムに対し、たかだか数十年の文明の利器が、不自然な影響を与えて、病気が増えているのです。

 

真夏で体がほてるような時なら話は別でしょうが、普段は、冷気や冷たい飲食物は、できる限り避けたほうがよいでしょう。






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